研究テーマの考え方や進め方

学生の方の研究を拝見していて気が付いたことがあるので連絡しておきます。
研究テーマの考え方や進め方については、特に以下のことにご注意ください。

(1)研究の目的が、コンピュータサイエンス専攻のコアとなる領域の研究である
こと。

他の分野、たとえば教育、音楽、アニメ、ゲーム、ファッションと言った領域
に逃げるのではなく、そのような分野に素材を取ってもあくまで目的はコン
ピュータサイエンス専攻の研究であることを忘れずに。

コアの領域と言ったのは、一度しかない人生ですから傍流指向ではなく、特に
学生の方には、是非王道の研究を歩んでほしいと思います。

修士論文は適当に最低限のものを書けばよいと思っていては駄目です。夏休み
の宿題をやるのではないので志を高く持つことが重要です。ここで良い研究を
すればその後の人生を自信を持って生きることが出来るでしょう。ごまかしの
研究をしたら、その後の人生もごまかしごまかし生きることになります。身を
削って打ち込むことが重要です。いろいろ調べて、研究する。その中で最後に
形に成る部分はほんのすこしかも知れませんが、表にあらわれない努力が重要
と思います。

(2)研究目的を明確に

研究を行うに当たっては研究の目的を明確にすることが重要です。
そもそもどんな領域に興味があるのか、その中でどんなことを
明らかにしたいのかを明確にすることが重要です。

研究の目的を明確に記述するひとつの方法は、

  現状の問題点の記述 -> 解決策の記述

をすることです。これではあまりに簡単と思うかも知れませんが、これが
曖昧なままですとそもそも論文になりません。

(3)新規性

研究には一定の新規性が必要です。商品開発ではないので単なる同じようなア
プリを作るというのでは駄目です。

同時に、少し調べて同じようなものがあるからとすぐあきらめるのもNGです。
一生懸命考えてやっていけば、結果的に出来たものは他のシステムとは異なっ
たものとなるはずです。

とくに留学生の人はいままで新規性というものを問われてこなかったかもしれ
ません。ここで新規性という考え方の重要性を学ばないとこの先に行けません。

(4)ソフトウェアやシステムを自分で作ること。

頭のなかで考えるのではなく、現実に動くものを自分で作ってみるといろいろ
なことが学べます。まず作ってみること、作りながら考えることが重要では。

プログラミングは努力の積み重ねです。愚直に少しづつ努力を積み重ねましょ
う。

とにかく自前の動くシステムを持つことが大前提です。時間があれば
システムの完成度をあげるべくシステムを作り込んでください。

(5)技術を学ぶ

作る段階で、関連した、最先端の技法を同時に学んで行きましょう。技術的レ
ベルや素養が低ければたいした研究もできません。

(6)関連研究を調べる

関連研究の調査や自分の研究との違いを記述することは非常に難しいです。あ
る程度研究のテーマがきまらないと、漠然と関連研究を調べても、調べきるこ
とができません。修士の方の研究発表でも関連研究のpptははずしていることが
ほとんどです。

田中はとくに関連研究を調べることを重視しています。

関連研究を検索エンジンで調べても最初は内容が良く分からないかもしれませ
ん。こういうときには読んだ文献を分類し、それぞれのまとめを作っていきま
しょう。何回か繰り返し読むうちにだんだん内容や関係が分かってきます。

関連研究は研究の進展と並行して、繰り返し調べ、それに応じ、研究自体も微
調整することが重要となります。

(7)評価、評価と言わない

システムをろくに作らないで、評価、評価と騒ぐのはやめましょう。それ以前
にきちんとシステムを作ることです。修士研究の場合、評価の比重はそれほど
高くないです。

基本的に評価の考え方は、研究の目的をつくったシステムが満たしているかを
検証するものです。研究目的もあいまいなまま評価もないですね。

(8)自分で考える、教員のアドバイスを理解する

他人の受け売りではなく、ご自分で考えることが重要です。田中の言っている
ことをよく理解して進めないと結局うまく行かないことになります。

こうしたことを実現するためにはまず毎日学校に来て研究室で仕事をする癖
をつけることです。研究室にいれば知らず知らずに知識が身につきます。
研究室で研究上のコミュニケーションができる相手を見つけるようにしましょう。
またゼミなどではつねに前の方に座り積極的に参加するようにしましょう。
(ゼミで前に方に座って怒られることはないですね)

IPLAB内での係も積極的に責任を果たしましょう。

積極的に行動することで多くのことを得られるようになります。